横浜高島屋の野田岩で知った、持ち帰りウナギの「驚きの真実」

しま村の持ち帰り蒲焼

ウナギ好きにとっては当たり前のことですが、「デパ地下の持ち帰りウナギは美味しくない」というのが定評です。

悲しいことに、私もその現実を目の当たりにする羽目に陥りました。

デパートの地下で販売されているウナギは、100%ダメとは言わないけれども「満足できない状態になってしまっているものが多い」のです。

(ただし我が家では野田岩の説明のおかげで、満足できるレベルの鰻に復活成功しました! これで “家ウナ“ を満喫できます!)

今回は持ち帰りウナギで悲しい結末に至った経緯と逆転劇を、ドキュメンタリー風に語らせて頂くことにしましょう。

さよなら藤沢のウナギ

会社が休みであっても、ブロガーには仕事が多いです。

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それはともかく、今日の私はヘアサロンというシャレオツなところを11時に予約しています。藤沢駅から徒歩数分ですけど、そもそも電車が藤沢駅へ到着したのは10時50分でした。

「午前中の分が売り切れても、午後の分を待って購入すれば良いや」と軽く考えた私は、そのままヘアサロンへ直行したのでした。

ちなみにヘアサロンを出たのは12時15分でした。私の場合は髪の毛が寂しくなっているので、「スカルプ(頭皮)シャンプー」をオプションにしています。それから「眉毛カット」もお願いしています。

特に今回は、家族から「眉毛が伸び放題で見苦しい」と言われています。中学校時代にはプリンプリン物語の「ルチ将軍みたい」とまで言われていました。こういったところも丁寧にやって頂いたので、いつもの60分には収まらなかったようです。

さてそういった事情はともかく、さっそく藤沢名店ビル地下みのるウナギへ向かいました。12時15分なので、午後の部…

あれっ?

いつもの行列が見当たりません。

あれあれっ?

まるで店じまいする時のように、器具類がキレイに片付いています。

一体何が起こっているのか理解できなった私は、店の親父さんに質問しました。

「あのー、午後の販売は何時ごろになりそうでしょうか?」

「XXXX!」

ダメです。言われた内容が脳に到達しません。仕方がないので、再び質問を繰り返しました。

「仕入れた分は全部売り切れてしまったんだ。今日はもうおしまいだよー!」

今度はキチンと脳が理解しました。そして続いて、地面がぐにゃりと揺れました。

そして親父さんは清々しいといった笑顔さえ浮かべているようです。

そりゃそうでしょう。猛暑で外出自粛が要請されている状態で、午前中だけで全て売り切ってしまったのです。お店としては理想的な状態です。

しかし「覆水盆に返らず」です。売り切れを嘆いても、焼き立ての鰻の蒲焼は出現してくれません。

常連のハシクレとしては、「親父さん、グッジョブ!」といった笑顔を浮かべ、店を立ち去ったのでした。

目指せ横浜のウナギ

さて家族に連絡すると、案の定「なんと!!」という返事が来ました。

家族のみんなが楽しみにしている藤沢みのるのウナギです。当然の反応でしょう。

しかし藤沢の他店で、みのるレベルのウナギを入手するのは困難です。

うまく行かなかった時に備えて、「プランA」だけでなくて「プランB」も用意しておくのが戦略家です。急いで名店ビルを出ると同時に、東海道線藤沢駅の改札を通過しました。

目指すは横浜高島屋地下街の野田岩です。藤沢みのるは15時には全て売り切れとなりますが、なんと野田岩は19時近くまで在庫が残っていることもあるのだそうです。

そんな訳で希望を野田岩へ託し、シンゴジラのように都内の方向へ移動します。みのるが12時15分だったのに12時22分の湘南新宿ラインに乗れたので、我ながら迅速に行動していると感心します。

私の願いを反映するかのように、湘南新宿ラインも快走します。驚いたことに横浜駅へ到着したのは、12時42分でした。(大混雑で遅くなる一方ので東急田園都市線と異なり、他路線は輸送力増強が進んでいるようです。昔は27分でしたからねえ)

ヘアーサロンにオシャレに仕上げられた私は、高島屋一階の「ルイビトン」などの広告にも臆することなく、英軍SAS戦闘部隊のように作戦行動を続けます。

ほどなくして地下へのエスカレーターが視野に入り、一気に地下の食品街へ突入します。作戦行動マップを見ると、野田岩はエスカレーターを降りた左側に位置しています。いかにも人柄の良さそうな「おばちゃん」が、一人で店番をしていました。

こちらは東急百貨店たまプラーザの「しま村」出店と同じ規模で、こじんまりとした持ち帰り店です。ウナギは十分に満足できる大サイズと中サイズがメインです。たまたまなのか分かりませんけど、中サイズが売り切れ近いです。人気のようです。

しかし流石に店を任されるだけあります。おばちゃんは私を鰻探求者だと見抜き、「こっちの1.5匹はいかがでしょう」と勧めて来ました。

プラスチックのケースに入れられており、大ウナギや中ウナギのように重ねられていません。

もちろん圧迫されていないので品質は良いとは思いましたが、運搬が面倒なので見送ることにしました。

なお鰻弁当にも興味があったのですが、今の時期は販売していないのだそうです。許可をいただいて撮影した画像には、次のお知らせが記載されていました。

お知らせ:誠に勝手ながら、以下の商品につきましては一時販売を中止させていただきます。
楽しみにされていたお客様には大変申し訳ございません。
何卒ご理解を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
■ うなぎ弁当:9月30日(水)まで

とりあえず目的物はゲットしました。3匹購入しましたが、特に箱はありませんでした。野田岩の包装紙に包まれただけです。

そして12時42分に横浜駅へ到着した私は、手洗いなどを済ませた後、12時58分の相鉄線特急で自宅目指して疾走したのでした。わずか26分だけ、「ハマの空気」を味わったという訳です。

(新コロさんは味わっていない… と信じたいです。暑いのにも関わらず、すごい人混みで吃驚しました)

これがデパ地下のウナギ

さてこちらが野田岩のウナギです。

横浜の野田岩の持ち帰り鰻の蒲焼

見た目はバッチリです。お味は… これからレポートする通りです。

最初は失敗

さてここからが本題です。なぜなら見た目こそバッチリなのですが、お店で食べるウナギには遠く及ばないのです。

(あの感動は、一体どこへ…)

もちろん今回は藤沢みのるのように、脂がしっかりと残った鰻です。冒頭画像のように焼き方も良いし、私としては合格点です。

野田岩の持ち帰り鰻の蒲焼

この油の残り具合が、全てを物語っています。みのると違って時間が経過したので固くなっていますが、合格点を出せそうです。

しかし… どういう訳か、奥さんにとっても私にとっても、満足できる味にはなりませんでした。特に奥さんは、タレも口に合わないとのことです。

藤沢みのると同じように、なんの変哲もないプラ容器です。ただしみのるが2匹で1本なのに対して、1匹で丸々1本を使います。たしかに薄口な辛口で、これが野田岩の特徴でしょうか。

  • オーブンであぶる程度に加熱
  • 重箱にご飯を入れてタレかける
  • 重箱に鰻を収納して蓋をする
  • 電子レンジで1分ほど加熱

たしかに昨日食べた、町田双葉の焼き立て鰻とはエラい違いです。固焼きの魚を口にしている感覚です。それに鰻の端の方が、なんだか揚げ煎餅のようにサクサクとします。

これは暫く前に食べた、「しろむら」の冷凍ウナギと同じです。中身が抜けてしまい、サクサクとするのです。

考えてみれば私以外は誰も野田岩でウナギを買っていなかったよなあ、と、暗澹とした気分に沈み込みました。

成功の家うな

さて今回は総力を上げて、家族一人に一枚を購入して来ました。前回の藤沢みのるでは、子供が丸々1匹を食べてしまい、奥さんの分が無くなってしまったからです。

しかし今回は時間帯も良くなかったせいか、子供はウナギを食べないとのことでした。焼き立てのウナギのようでなくても、近所のスーパーで販売されている中国産とは比較になりません。ありがたく私が頂戴することになりました。

そして何とか少しでも美味しくウナギを食べたいと思っている私の前に、一枚の紙切れが目に留まりました。

『おいしい召し上がり方』

“蒲焼を直接火で焼かないで蒸器で軽く蒸すか又は熱いご飯とご飯の間に入れてやわらかくしてから召し上がって下さい”

いちおう重箱に蓋をして、電子レンジで1分ほどウナギごと加熱しました。ただし先ほどの奥さんは空腹のあまり、そのまま鰻重を食べ始めていました。

今回の私は、急ぐ必要は全くありません。そこで試みに、説明に従って鰻重を作ってみました。

  • 重箱にご飯を入れる
  • ご飯にタレをかける
  • 電子レンジで2分ほど加熱
  • 冷たいウナギを入れて10分
  • 電子レンジで30秒
  • さらに3分ほど蒸す

これ、「大成功」でした。お店と同じとは言えないにしても、かなり近くなっています。蒸すだけで、本当に「ふっくら」として来るのですね。焼きたて(蒸したて)の鰻と同じような感じになってくれました。

試しに食べてみた奥さんも、「ホント、別なウナギみたい。へー、蒸すって大切なのね。そういえば日本酒も良いって言うし」とのことです。

なお野田岩のウナギを日本酒で蒸すのは注意した方が良さそうです。「しろむら」ではフライパンに日本酒を入れる方法も紹介されていましたが、ウナギの性質と調理方法が影響しそうです。初心者は作り手の指示に従うのが安全でしょう。

それにしても、たしかに野田岩のウナギに対して「蒸し」は大変効果的なようです。ここまで美味しいウナギに変わってくれるとは、全く予想外の驚きでした。

そんな訳で昼も夜もウナギを堪能するという1日でしたが、大満足な「家うな」という結果に終わった訳でした。

(ちなみにご飯は関東風にタレかき混ぜなかったです。これもお味に影響しているかもしれません。実はタレは、渡された半分以上が残っています)

まとめ

そういった訳で、デパ地下の「持ち帰りウナギ」は、普通に調理したのでは全く美味しくないことを体感できました。蒸すというのは、ウナギの食感を左右する重要事項なのですね。(ウナギの)肝に銘じておくことにします。

そしてこうやって考えてみると、なんだか持ち帰り専門店から始まった「しま村」のウナギが分かって来たような気がします。

あちらもオーブントースターで焼いてしまいましたが、そうではなくて蒸すことが大切なようです。もしかすると、そのために脂が出ないような焼き方をしているのかもしれません。(その割には蒸すことに拘っていない調理説明ですけど)

そして考えてみると、過去に我が家が満足したウナギは、全て「三川一色産」です。ウナギとしては究極の素材に近く、ウナギの力で調理下手が補われていたのかもしれません。

ともかく苦労した甲斐はあったし、横浜高島屋地下街の野田岩ウナギを堪能することも出来ました。

あとはお店で食事をすることでしょうか。いつも混在しているお店なので、流石にそれは難しそうです。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:よつばせい