横浜の野田岩の本店と鰻重が、予想通りに最高だったという話

横浜の野田岩

全国にいるウナギの蒲焼ファンには申し訳ないけれども、横浜の野田岩の本店へ行きました。

そして予想通り、「最高の鰻重」と「最高のサービス」を堪能して帰って来ました。

これからは横浜駅近辺へ行く度に、野田岩の本店に立ち寄ることになってしまうかもしれません。

何をどう感動したのか、ともかくレポート(自慢?)させて頂くことにします。

https://bike-neko.com/?p=52/

ちなみに横浜の野田岩の本店へ行く方法は、上記記事で紹介しています。

超人気の鰻屋

「何を今更」と言われてしまうかもしれませんけど、今までは「藤沢みのるうなぎ」がありました。だから鰻屋へ行く必要が無かったのです。

それが2020年に入ってから世界が一変したのと同時に、みのるでウナギの蒲焼を調達することが困難になりました。

まず在宅勤務になってしまったので、藤沢へ立ち寄る機会が激減しました。

そして藤沢に立ち寄っても、もう昼過ぎには売り切れてしまっていることが多くなりました。

藤沢みのるウナギ

私の気のせいではありません。ご覧のように、みのるでは「売り切れ」表示が登場するようになりました。

今までには無かったことです。そして最近は三戦三敗です。

今日の販売が終わって、後片付けをしている光景を見るほど悲しいことはありません。

それに心なしか、みのるスタッフの表情も今一つ明るくないようです。仕入れ量が減少している為でしょうか。

それで「仕方なく」、お持ち帰り鰻や鰻屋を訪問して回り始めた訳です。その訪問ツアーの最後を飾るのは、やはり横浜の野田岩の本店となりました。

ちなみに外出自粛の状況ですので、今回は久しぶりに会社へ出勤する機会を捉えて、行きがけに立ち寄って食事してから出社しました。

つまり「ちょっとだけ」出発時間を遅らせて、電車の混雑する時間を避けて出勤した訳です。恐ろしく遅い時差出勤ですけれども、そこはまあご愛敬というところです。(をいをい)

ともかく横浜の野田岩の本店に到着したのは、開店5分後の11時35分です。それでもう満席に近い状態だったことには驚かされました。

いやはや、それにしても大変な人気ですね。のれんをくぐった時に、「空き席が無さそうなので、そこの椅子で少しお待ち下さい」と言われた時には驚きました。

そもそも幸い私がすぐに案内された区画は4テーブルほどありましたけれども、最初から2テーブルが埋まっていました。私が3テーブル目に座り、数分後には4テーブル全てが埋まっていました。

さすがは日本の誇る超人気店です。ちなみに1テーブルは野田岩リピーターのようで、「この前の銀座店は…」と会話していました。

また別な方からは小さな声で、「ハッピーバースデー、トゥー、ユー」という歌声が聞こえて来ました。お祝いの席に野田岩で食事する… なかなか良いじゃありませんか。

最高のサービス

この野田岩の人気を支えるのが、五代目の金本兼次郎氏が弟さんと一緒に育て上げたスタッフや食器類です。

受付では空き席を祈るような感じで頑張って空き席を確認して貰えましたし、スタッフ同士の会話にも真心が感じられます。スタッフ同士の会話に潤いがないと、鰻屋が「ただの栄養を補充する場所」となってしまいます。

もちろんウナギの蒲焼という脳に大変良い栄養を摂取して、最高の状態で仕事することは大切です。でも最高のパフォーマンスを出すには、メンタル的なものも多分に影響します。それがわざわざ鰻屋で食事する理由の一つだったりします。

鰻屋は蒲焼を焼く職人だけでお店を営業している訳ではありません。横浜の野田岩は、のれん分けされて弟さんが経営しています。それでも麻布の本店と同じく、最高のサービスを提供していると言えます。

ちなみに食器類にも気が配られています。

横浜の野田岩の本店

玉露、煎茶、ほうじ茶によって最適な形状の湯飲みが存在しますけど、その基本に忠実です。

それから横浜高島屋店の野田岩と比べると、あまりスタッフがやって来ません。高島屋が動だとすると、こちらは静といったスタッフの立ち居振る舞いです。

これ、意図的にやっているとしたら大したものです。同じ横浜の野田岩が1km以内に二店も存在していますが、それぞれのお店の個性が違うと飽きることがありません。上手い工夫です。

重箱も興味深いです。今までは丼しか注文したことが無かったので、聞いていた噂とは違うデザインに驚きました。

横浜の野田岩の本店

重箱に書き込まれている文字は、「逢えて良かった」です。これは熟年カップルには殺し文句ではないでしょうか。いや、人によって違う意味をもたらします。誰にとっても深みのある重箱です。

そして重箱を開けてみると、冒頭画像のような縁取りされた容器だと分かる訳です。ここら辺のギミック(重箱製作者の工夫)は大変面白いです。

ちなみに「五代目 野田岩」という文字は、重箱のフタの裏側に書かれていました。

麻布の野田岩では、この重箱で出前をやっているとのことです。私などは野田岩で鰻重を食べれるだけで満足すべきですけれども、やっぱりこの重箱で出前を注文できる人が羨ましいです。

(そういえば陛下も野田岩を出前なさっているとか)

横浜の野田岩の重箱

なお2020年10月2日時点では米国トランプ大統領が隔離状態となっていますが、そういう時に出前を取れると嬉しいでしょう。私の場合は出前を取れませんけど、近所で野田岩レトルトうなぎを調達できます。

病気の時にはウナギの蒲焼が一番の特効薬です。そう考えると、日本人で良かったです。

それから日本人といえば、五代目はワインを扱い始めたとのことです。それは横浜の野田岩も同じで、よくよく見ると入口近くにはワインが樽に飾ってありました。もしかしたら本物のワイン樽かもしれません。

満員御礼の時などは、この画像の席店内で座って待つことが出来る訳ですが、その隣にワインが置かれている訳です。退屈したらワインを眺めていれば良いし、お店としても商品宣伝になります。

横浜の野田岩の本店

贔屓目になっていることは認めますけれども、やっぱりなかなか見事です。

主役は鰻重

さて最高のサービスと一緒に登場するのが、最高の鰻重です。

正直言って、鰻重というのは評価が分かれやすいです。

これは昨今流行している野次馬やサクラによる評価によるものだけではありません。

まずうなぎも人間と同じで、一尾一尾で個性が異なります。職人は品質の良くないウナギに遭遇することもありますが、そのような時に低品質ウナギを廃棄処分する決断を出来るのは店長のみです。

もちろん野田岩では生え抜きの腕利き職人が調理をしています。しかしその野田岩でさえも、最高の鰻重に遭遇できるかは運次第なのです。

横浜の野田岩本店の鰻重

ちなみに野田岩の特徴の一つに、「注文してから10分程度での鰻重登場」があります。それは今回の訪問時も、叶えられました。

(と、いうか、最初から待ち時間が10分以下だと見越していたからこそ、出社前に立ち寄れた訳です。1時間も待たされると、さすがに店の中で本格的に業務再開する必要があります。ちょっと悲しい光景です)

野田岩では小一時間ほど蒸して、フワフワでトロトロにしてあるウナギを、タレを付けて焼いて蒲焼にしています。私も江戸っ子ではないけど、待つのは苦手です。

だからこのような焼き方をしているおかげで、注文してから10分程度で鰻重が登場するのは嬉しいことです。

ただしこれは表裏一体ですけれども、うなぎの肉が本格的にフワフワでトロトロになる代償として、小骨の存在が相対的に目立って来ます。

だから奥さんや子供などは、野田屋調理師派遣所の職人さんが腕を振るっている「しま村」のウナギを好みます。両社のようなハイレベルな状態になると、個人の好みが大きく影響して来ます。厳しい世界です。

ただしどちらかを選べるというのは、選択肢が増えている訳です。贅沢な悩みだとも言えそうです。

ともかく、うなぎ美味しいです。それだけで大満足です。(意味不明)

まとめ

横浜の野田岩の本店のような鰻屋へ行くと、「やっぱり鰻重って良いなあ」と思い知らされます。

能の稽古をする名人が、午前中の練習前に鰻重で腹ごしらえするという気持ちが痛いほど理解できます。

しかし横浜の野田岩の本店や高島屋店が存在するのは嬉しいですけれども、やっぱりお値段も大変良いですね。

このサービスならばリーズナブルだとは納得していますけれども、早く藤沢みのるうなぎが完全復活してくれると嬉しいです。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:よつばせい