町田の双葉という鰻屋で最高のサービスを堪能

町田の双葉の鰻

異論反論はあるでしょう。

鰻好きの友人は、町田の双葉を全く評価していません。

八十八が2016年に町田に進出した時など、「ここには有力な鰻専門店は存在しない」という出店社コメントまで出ています。

しかし実際に行ってみると分かりますが、町田の双葉は鰻の蒲焼において、最高のサービスを提供してくれるのです。

八十八の苦境をよそに、活況を呈しています。

職人さんは40年のベテランと高齢ですけど、まだまだ「町田の双葉の鰻丼」は堪能できるでしょう。

私も機会があれば、訪問を続けることになるでしょう。

さて今回は、町田の双葉がどうして関係者を戸惑わせる状況になっているかを、紹介させて頂くことにします。

鰻の蒲焼のレベル

まず最も大切となる「鰻の蒲焼」を紹介させて頂きましょう。

双葉は鰻の調達ルートには気を配っていて、天然ウナギなども仕入れています。

したがって養殖ものであっても、良いウナギを取り扱っています。さすがはお店のホームページで、活きウナギばかり紹介しているお店です。

おそらくこの道40年の板前さんは、ウナギには自信を持っているでしょう。

私も実際に食べてみて、「これは良いものだ」と堪能しました。柔らかくて、適度に脂が乗っています。

ただしご飯にかかったウナギのタレは、アッサリした辛口系です。そして鰻に塗られたタレは控えめです。

焼き方も冒頭画像のように、必要最低限といった感じです。甘口の関東風に慣れた人は友人にとっては、今一つかもしれません。

それから… 私が食べても、小骨が多いと感じました。11時30分頃の訪問なので、忙しいというよりも「店のポリシー」のようです。

それから町田駅ビルの小田急百貨店に店舗を構えているためなのか、刺身や焼き鳥も扱っています。お店には、キープされたボトルもあります。

町田の双葉の鰻

ご飯は国産米というウィンドウ表示もありますけど、ちょっと崩れやすいです。ただし国産米であることは間違いないでしょう。

と、こんな感じなので、鰻好きからマークされていないし、評価も高くないです。

最高のウナギとなる訳

たしかに「これは良い鰻だ」ですが、それ以外は特筆事項がないような気もします。しかし世の中とは不思議なもので、これが「ある意味で最高の鰻丼」となるのです。

さっそく、最高となる理由をネタばらしすることにしましょう。

まず注文してから鰻丼がやって来るまでが神速です。私の場合、注文してから5分で鰻丼が来ました。

これは急いで食事を済ます必要のある駅ビル訪問者にとって、大変に嬉しいことです。駅もしくは百貨店に立ち寄ったついでに、気軽に食事することが出来ます。

これはお客さんで賑わっていることが大きいです。天然ウナギを注文する人は滅多にいませんから、一気にまとめて焼き上げることが出来ます。

それに先ほど紹介したように、タレも何もが最低限の焼き方になっています。炭火焼きを十分に堪能できませんけど、調理時間の節約に繋がります。

それから小骨を取り除きが十分でないと説明しましたけど、一気に大量に捌くので、小骨を丹念に処理している時間がありません。

そういえば丼もスピードアップを助けています。重箱と違い、盛り付けが簡単です。保温性も丼の方が若干良いです。

つまり双葉の鰻丼は、注文後に速く出すことに最も力を入れているのです。

それだけじゃありません。

タレが珍しい辛口あっさり系なので、本格的鰻専門店に慣れた客には珍しくて良いです。

おまけに邪道と見做されても、焼き鳥に加えて刺身なども扱っています。ボトルキープもあるので、常連が訪問しやすいです。

だから駅ビルの中にあるという利点もありますけど、たとえ平日であっても開店直後から満員御礼となるのです。

昨今のご時世で飲食店ピンチな状況でも、町田の双葉は相変わらず人気が高いです。新規進出した鰻専門店の八十八が金土日営業に追い込まれているのとは、対照的です。

ちなみに客層は高齢者が多いです。

しかし私が訪問した昼前であっても、若者やベテラン世代も、それなりに来店していました。こういった客が固定客となってくれれば、店としては安定経営できる訳です。

ただし町田の双葉が固定客をガッチリと確保しているので、他の店は大変です。八十八以外でも鰻専門店は存在しますけど、創作料理方面に走っていたりします。

やっぱり早くから店を構え、固定客を確実に抑えている町田の双葉は強いです。ライバル八十八はマダムやビジネスマンなどに焦点を当てているようですけど、あまり上手く行っていないようです。

あちらは「レディース御前」がホームページに紹介されていますが、2020年8月21日(金)に訪問した時には「メニューお休み中」でした。我が家の奥様は友人と訪問することを考えていたけれども、相当ガッカリしたとのことです。

まとめ

つまり実際に行ってみると分かりますが、町田の双葉は鰻の蒲焼において、「馴染の客」に対して最高のサービスを提供しています。

私の友人は不満がありましたが、鰻が大好きな訪問客にとってはその通りでしょう。

ちなみに私は眼鏡屋へ用事があって立ち寄ったので、11時27分入店で11時47分出店は便利で良かったです。

そして早く料理を出すということは、客の回転も良くなるということです。店としても繁盛します。

もちろん、いくら早くから焼いていると言っても、美味しんぼのように「作り置き」などという鰻の味を落とす真似はしていません。

そして八十八と違って個室タイプの部屋構造にしていないので、「お一人さま」への対応力が高いです。

(幾ら高級路線を取っても、「お一人さま」で数をこなさないと経営面で辛そうな気が)

と、いう次第で、飲食店というのは鰻の蒲焼であっても、味だとか高級感以外で大切なものがあるのだなあと感心した次第です。

さてこれから、他の鰻専門店がどのように立ち回るでしょうか。

私としては甘口のタレも歓迎ですし、江戸前の関東風な鰻重も大好きです。

双葉と競合しない形で、やっていくことは不可能ではない気もします。ぜひ他店も満員御礼となることを期待する次第です。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:よつばせい